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「ドライアイス洗浄ラボ」
ドライアイス洗浄 デメリット? vol.①
【デメリット】取扱い・安全性・ドライアイスの管理・環境問題について
ドライアイス洗浄を初めて知る整備業界のお客様から「ドライアイス洗浄のデメリットは何ですか?」と質問されることが多くあります。当社の洗浄機だけでなくドライアイス洗浄機メーカーの抱えているデメリットや問題点をピックアップしてご説明させていただきます。
その中で一番多い質問が、①取扱い ②安全性 ③ドライアイスの管理 ④環境問題 ⑤価格 の順になります。
⑤価格についてはご説明のボリュームが多いため次回VOL.②でご紹介させていただきます。次回もご覧ください。
一番大切なことはデメリットをピックアップした後、メーカーである私たちがどのように解決しているのか?そして、その解決策に自信があるか?だと思います。
取扱いについて
ドライアイス洗浄機は、高圧水洗浄やサンドブラストなど他の洗浄機と異なる独自の取扱方法と安全管理があります。動画では洗浄が簡単に見えてしまうため個人で見よう見真似でトライしようと思われる方が見えますが、殆どの方は上手く行かないのが現状です。思ったように洗浄出来ないことで壁にぶつかりストレスを溜めて根気とモチベーションを維持することができなくなると思います。ちょっとしたコツと慣れで解決しますので遠慮せず私たちを頼っていただきお客様の事業成功への近道に貢献させていただければと願います。このような事例も多くあるため現在当社では新しい研修制度の構築をスタートしました。
出来れば年内に研修制度を立上げて、私たちがわかり易く正しい操作技術と安全知識を基礎からお教えしマスターしていただきたいと思います。
ドライアイス洗浄はこれまでにない新しい洗浄方法ですので過去の洗浄知識や経験は必要ありません。お気軽に異業種の方でもトライ可能です。
私たちが更に今年頑張りたいのは【女性や就労支援向け】に ”力に頼らない片手で簡単に出来る洗浄” があります。それには新オプション、洗浄機の設定、洗浄テクニックでマッチングさせます。洗浄対象は車に限らず、【家電リサイクル・自動販売機・大型商業施設や駅構内・エスカレーターのビルメンテ・映画館や電車のシート】なども広めていきます。
気になる方はご一報お待ちしております。
自動車鈑金工場様必見
最近、GT-110Mユーザー様の面白い傾向に気づきました。洗浄技術をマスターするのに1か月程(※)掛かりますが、車の塗装経験者は数日でマスターすることができるようです。ガンの操作スピード、距離、角度が完璧です。一番素晴らしいと思ったのは、洗浄の仕上りが速く美しいことです。
※新型ドライアイスクリーナーGT-22なら1週間ほどでマスターしていただけます。
車の塗装鈑金工場には、2柱リフトや大型コンプレッサーもあります。塗装鈑金業で新規事業をお考えの方には最適なアイテムだと思います。
トラブル事例
私たちからドライアイス洗浄機をご購入いただいたユーザー様に望むことが2つあります。
それは、【買って良かったと感じてもらうこと・怪我も故障もなく30年でも使い続けてもらうこと】
創業当初の20年前、私たちはドイツで製造された洗浄機をそのままドイツ仕様で国内の製造業に販売しました。
その結果、以下のような大きなトラブルに悩まされました。
■日本の高温多湿の環境に合わないため、ドライアイスが洗浄機内で詰まって洗浄できなくなる。
■日本のコンプレッサーは海外よりも小型で圧力も流量も低く、圧縮空気内のドレン水が多いためマッチしない。
■洗浄機の重量は100kgほどの大型で扱いづらく、狭い場所での使用が難しい。
■洗浄時のエアーの反動と騒音が大きく、ガンも重たい。
■梅雨のないドイツと違って日本の高温多湿の気候に合わない。
■小柄な日本人の体形に合わない。
私たちは他の洗浄にない圧倒的な洗浄力に惹かれて2名でベンチャースタートしましたがはじめから苦難の連続でした。
この苦労から日本人に適したドライアイス洗浄機に変えて行くことに決心してドイツと日本を何度も往復しました。
当時の話をすると大変長くなりますが、考え方の違いで何度も現地スタッフと口論になり、悔し涙することもありました。
ピンチをチャンスに、妥協は失敗に
休暇が多くて奇想天外なアイデアマンのドイツ人と、繊細で慎重な日本人(細かすぎるのでクレイジーだそうです)が力を合わしたことで、世界に通用するドライアイス洗浄機を誕生させることができました。今ではこれが世界に誇れる当社の自慢です。
最初の10年は大変苦労しましたが、当たって砕けろのド根性精神で7つほど大きな山を越えてきたのを今では懐かしく思います。
これまでの20年間、モデルチェンジと改良を繰り返して完成形のドライアイス洗浄機にすることができたのは当社の財産でもあります。
安全性について
ユーザー様が怪我をしないよう洗浄機に安全対策をしておりますが、取説に無い方法で洗浄するとか、取扱方法を知らずに扱うと怪我や事故を起こしてしまう可能性があります。
例えば、車の運転と同じで、教習所に通って運転技術と安全知識を学びますが、ドライアイス洗浄も同じく安全教育と操作練習をしっかり行い、DIY感覚で作業するものではないことを知っていただきます。
当社にレンタル業の会社様から「取扱させてくれませんか?」、ユーザー様から「レンタルさせてくれませんか?」などの問い合わせが頻繁にあります。
当社は基本レンタルは全てお断りしております。
特殊なケースですが、製造業では採用前に各種試験データーや安全テストを行わないと大きな問題に発展するため、この場合に限り、当社技術者同行の元、お貸しすることもあります。
安全第一のため、今後もレンタル目的で販売することはありません。
ドライアイス洗浄時の安全注意事項について
正しい操作手順や方法でドライアイス洗浄すれば安全に作業することができます。
■二酸化炭素中毒、酸素欠乏 【対策】換気 ※当社が検証(必要な場合は環境測定)
※当社調べ コンプレッサーからエアーを大量に供給しているため、酸素欠乏よりも二酸化炭素中毒になるスピードの方が速い傾向があります。
■凍傷 【対策】手袋(安全保護具)の着用 ※一般的な厚手のゴム手袋
■裂傷 【対策】手袋・長袖の着用(肌を露出しない服装)
■難聴 【対策】耳栓の着用
■目 【対策】メガネの着用(粉塵の洗浄はゴーグル)
■鼻、口 【対策】防塵用マスクの着用 ※粉じん作業の場合
■静電気 【対策】洗浄機と洗浄物のアーシング ※専用アースは洗浄機に標準オプション
納品時に必ず当社の安全教育をマスターした担当者による取扱説明の実施をしています。
ドライアイスの管理
ドライアイスは365日毎日製造しており、意外と長持ちするものでマイナス80℃冷蔵庫に入れれば1年でも保管可能です。
しかしこれは電気代が掛かり、品質が落ちることで洗浄効果に影響しますのであまりお薦めしておりません。
詳しいご説明はこちらをご覧下さい。
✅こちらをクリック→ https://dryicepower-seibi.com/dryice/
私たちが開発しましたドライアイスを高品質に長持ちさせる人気の保冷容器をご紹介します。殆どのお客様がご購入されます。
✅こちらをクリック→ 真空ドライアイスキーパー15・30・60 オプションカタログ
環境問題について
最近になり工場から排出される二酸化炭素を回収し、作られるドライアイス(CCUSカーボンリサイクル)を使用して、装置・機器・製品をメンテナンスのためドライアイス洗浄することが長寿命化に繋がると(SDGs)認知されるようになってきましたことを大変嬉しく思います。
この再生CO2で最も多く使用されるものは炭酸飲料や溶接用ガスになりますが、近い将来の技術開発により生活環境の大気から二酸化炭素を回収する時代もそう遠くは無いようです。
こちらは当社の協力会社エア・ウォーター(株)様の技術(CO2回収~ドライアイス洗浄まで)になります。
本来なら30億~50億円もする大きな製造工場が必要になるところ、トラックサイズまでコンパクトにすることができました。
✅こちらをクリック→ https://www.awi.co.jp/ja/business/news/news-1045500631884026469.html
この記事の中の用途のところにドライアイス洗浄のこともご紹介されています。